診療のご案内

呼吸器内科・アレルギー科

呼吸器内科・アレルギー科

呼吸器外来・咳外来・喘息外来

院長は呼吸器専門医です。呼吸器専門医はまだまだ数が少なく、病院に偏在しています。呼吸器内科で扱う疾患は多岐にわたりますが、当院では長引く咳・気管支喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)・肺気腫・睡眠時無呼吸症候群・慢性呼吸不全を中心に診療しています。

気管支喘息やCOPDでは、治療の中心は吸入薬ですが、薬剤は多数あります。患者様に合った製剤を使用すること・きちんと吸入できているかの確認(吸入指導)が重要です。また、喘息悪化の要因が生活環境要因であったり、他のアレルギー疾患(鼻炎・副鼻腔炎)の合併であることもあり、アレルギー疾患をトータルでマネージメントしていくことも重要です。

長引く咳や息切れ・いびきがひどい・睡眠中に息が止まるといった症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。

長く続く咳(慢性咳嗽)

厳密には8週間以上続く咳を指します。3週間未満の咳(急性咳嗽)は呼吸器感染症の頻度が多いですが、3週間をこえて続く遷延性咳嗽(3〜8週)や慢性咳嗽(8週以上)では感染症の割合は低下していき、感染症以外の原因を調べる必要が出てきます。
頻度として多いのは喘息・アレルギーによる咳・後鼻漏(鼻水が喉に垂れ込む)・胃食道逆流などです。肺がんや気胸などが紛れていることもあり胸部レントゲンなどの検査も行いますが、診断には詳細な問診が重要になってきます。
これまで診療してきた経験をもとに、詳細な問診票をお渡しし正確な診断に努めています。

気管支喘息

気管支喘息

小児の疾患というイメージの喘息ですが、小児喘息の方のうち7〜8割は思春期までに寛解する一方で2〜3割の方は成人に持ち越します(実際、私自身小児喘息に苦しめられましたが小学校に入り寛解しました)。また小児喘息がなかったにもかかわらず大人になって初めて発症するケース・思春期に一旦寛解していた喘息が大人になって再燃するケースがあります。

かつては亡くなることも多かった喘息ですが、吸入ステロイドの登場で死亡者数は劇的に低下しています。
まずは吸入ステロイドをきちんと使用していただくことが非常に重要です。
吸入薬はたくさんの製剤が発売されており、患者さん毎にあったものを選択する必要があります。飲み薬と違い吸入という投与経路になりますので、処方するだけでなくきちんと吸入の手技ができているかの確認が重要であり、薬剤師の先生との連携も重要になってきます。特にご高齢の方は吸入自体が難しいことが多く、ご高齢の方のコントロール不良の一因となります。実際に喘息による死亡が減っていく一方で、重症喘息の高齢者の方の割合は増えているといわれています。

きちんと吸入をしても改善しない場合、内服薬の追加を行いますが、生活環境・喘息以外のアレルギー疾患の合併により喘息が悪化している場合があり注意が必要です。そのような悪化させる要因を取り除き、他のアレルギー疾患もトータルでマネージメントしていくことが重要です。

それでも改善しない場合には近年、抗体治療や気管支鏡を使用した治療が新たな選択肢として増えました。
当院では抗体治療に関しても積極的に行っていこうと考えております。

喘息の方が初めて医療機関を受診するのは「長引く咳」か「喘息発作」が多いです。喘息は他の疾患と異なり明確な診断基準が存在しない疾患ですので、ある意味診断が難しいといえます。当院では詳細な問診票をお渡しし、正確な診断に努めていきます。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

Chronic(慢性)Obstructive(閉塞性)Pulmonary(肺)Disease(疾患)の略でたばこの煙に代表される有害物質の吸入で肺胞や気管支に炎症を引き起こし気管が狭くなる病気です。似た疾患で肺気腫がありますが厳密には異なる疾患です。

この病気の患者さんの90%以上に喫煙歴があり、動いた時の息切れ・咳・痰が主な症状です。煙草を吸っている、あるいは吸っていた方で上記のような症状のある方はこの病気を疑う必要があります。診断には呼吸機能検査を行います。日本では推定500万人以上の患者さんがいるといわれていますが、そのうちきちんと診断されているのはたった20万人ほどといわれています。

COPDは放置すると慢性呼吸不全で常に酸素投与が必要な状態に陥ったり、心不全・骨粗鬆症・生活習慣病といった全身合併症をきたすともいわれています。

治療としてはまずは禁煙を行い、息切れの症状があるようであれば基本は気管支拡張薬の吸入になります。喘息と同じく非常に多くの製剤が上市されており、その方にあったものを選ぶ必要があります。また咳や痰といった症状にも投薬を行っていきます。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は眠っている間に呼吸が停止したり呼吸が浅くなったりする病気です。
10秒以上呼吸が止まっている状態を「無呼吸」、1時間に5回以上無呼吸がある状態を睡眠時無呼吸症候群といいます。
日中の眠気・起床時の頭痛・日中のだるさなどの症状をきっかけに検査に至ることもありますが、眠気の自覚がない場合も多く(特に女性)、その場合には夜間にいびきをかいている・呼吸が止まっていることを家族やパートナーから指摘されることが診断の契機になることがあります。

原因としては肥満が重要ですが、顎が小さい・飲酒・睡眠薬の使用などもリスクになります。
特に日本人は顎が一般的に小さめで肥満がなくても睡眠時無呼吸になりやすいといわれています。

睡眠時無呼吸は高血圧のリスクになり、睡眠時無呼吸に合併する高血圧は夜間の血圧の変動が大きく心臓や血管のトラブルをきたしやすい可能性があるとされています。そのほか、インスリンの感受性の低下をきたし糖尿病の合併症リスクにもなります。睡眠時無呼吸のみでも動脈硬化(特にいびきがある場合)のリスクといわれていますが、これらの生活習慣病を合併することで心血管系の合併症をきたす可能性があり、突然死のリスクにもなります。特に重症の睡眠時無呼吸では治療しないと生存率が下がることが知られています。
日本では300万人以上の患者さんがいると推定されていますが、治療を行っているのは1割程度といわれています。

治療は軽度の場合にはダイエットや禁酒・側臥位療法(横を向いて寝る)などを行います。肥満を合併している場合には、ダイエットは病気の改善に非常に効果的といわれています。
中等症ではマウスピースの装着、重症の場合には持続陽圧呼吸(CPAP)が第一選択です。